香りを通して見る、私の年月
先日、行きつけのお店である「かわいいアロマ ひつじや」さんにお邪魔してきました。こちらのお店には、もう4年以上前からお世話になっています。
私が18歳の頃、就職に失敗し、うつになってボロボロで帰ってきた時に出会ったのがきっかけでした。それから現在まで、講演の前や、初めて入院&手術をする時等、大切な何かがあるとき、緊張を和らげられるようにと、毎回のように助けを借りています。
お店のご主人である美央さんとは、香りに対する感覚がとてもよく合っていて、話していてとても楽しいし、なんだかそのままでいられる感じがして、とても嬉しいです。
また、美央さんは科学的根拠をもった調香を得意としている人でもあります。そういうところも大好きで、私はこの人のおかげで、アロマが案外ケミカルなものであることをたくさん教わりました。
今日も「じぶんアロマ」のプランで、講演前にリラックスできるような香りの調香をお願いしました。……そう思いつつ、先日からどうもひどく不調だったので、今の自分が好ましく思う香りを、ありのままに作ってもらったような気もします。
今回の香りは、このような感じになりました。
マートル / シダーウッド・バージニア / ベチバー
さわやかな木や土の香りで、とても自然な感じの調香です。
今回の調香の途中で、「昔に比べて、私が好ましく思う香りの傾向が大きく違ってきている」という話になりました。
私は昔から、スピード感があってしゃきっとさせてくれるような、甘酸っぱくてキラキラした柑橘系の香りが大好きでした。精油で言えばオレンジスイートなどをとてもよく使っていた感じで。
しかし最近はどっしりと地に足をつけて、余裕を持たせてくれる香りをよく選んでいる、と指摘を受けました。今は昔苦手だった、木や土の香りに魅力を感じています。
「大人になったんだね」と言われました。
最近はあの頃と違う、あの頃にはあった良さが消えているような気がしていました。それについて先日別な人から「経験が増えてきたということだろう」「年齢に伴って落ち着いてきたのでは」と言われたばかりで。
それでも消化しきれていなかったらしいもやもやを、ふと見つけてもらえたような。
香りを通して、私を、私の年月の流れを、見守ってもらえたような気がしました。
あまりに嬉しくて、色んなことを話して、聞いてもらいました。昔はしゃぐとそうやって手がつけられなくなった、あの時のように。
店を出たあと、とても冷え込んでいたのですが、気づけばとても楽になっていました。つきものが落ちたような、重荷がふとなくなったような。あの人は本当にすごいなあと思いつつ、次もまた是非お世話になりたいと感じつつ、家路につきました。
これからも末長いご縁がありますように。